グランジの700Cトランスファーを使っているVブレーキでアームの戻りが悪い症状があるため調べてみたのですが、はっきりした原因が分かりません。
700Cトランスファーを分解してVブレーキを設置する際のバネ位置を変更してみました。
なお、ブレーキ関連のパーツの分解は危険を伴うものですので当記事の内容を整備手段として推奨するものではありません。
Vブレーキの戻りが悪い
戻りが悪いのは後輪のVブレーキ、フロントはフォークごとロード用に交換済みなので前ブレーキのトラブルは少な目な自転車です。
リアは26インチサイズのカンチブレーキ台座に700Cトランスファーを設置しVブレーキ化した上にドロップハンドル化をしているので、もともと快適なブレーキングとは無縁なものと割り切っていた自転車です。
ですが、ここのところリムにブレーキシューが接触したままになることが多く気になっていました。特にVブレーキの左側のアームがレバーを戻しても元の位置に戻りづらいといった症状です。
試行錯誤の結果、ブレーキレバーやワイヤーなどはそのままに、700Cトランスファーとフレームにある台座の位置を微調整するためと思われる両サイドの小さなネジを調整することで、なんとか解決できています。
本来こうした、ブレーキの戻りを調整するものかどうかは不明ですがリムとの擦れは一時的に解消できました。
バネの強さが調整できない
サイドの小さなネジでの調整効果が上手く維持できるとうれしいですが、当初ブレーキの戻りが悪い原因として疑っていたのが700CトランスファーではVブレーキにあるアームを開くためのスプリングの固定位置が、フレームに直接取り付けた場合と異なり3つの穴を自由に選択できないためではないかと考えていました。
700Cトランスファーを標準の状態で使うと、本来3つある調整穴は中間にある1カ所しか使えずスプリングの強さは中強度に限定されます。
スプリングの固定を一番上の穴に差し込めれば、ブレーキを開く強さは増すように思えますが700Cトランスファーは堅いボルトを外さないと調整ができません。
そして、700Cトランスファーはブレーキに使うパーツですのでこの辺をイジるのはかなりのリスクを伴います。
700Cトランスファーの分解
ブレーキ操作の快適性というのは自転車乗りにとって重要な部分と考えます。
ブレーキの効きや戻りの調整は、先に書いたサイドのネジで調整は可能ですが、バネ位置の変更ができれば一段と快適なブレーキングや微調整が可能になるのでは?と考え700Cトランスファーを分解してみることにしました。
まずは、台座の裏にあるボルトを10mmのスパナを使い外します。これはかなり固く締め込まれているのでフレームに付いている段階である程度緩めておきました。
続いて、台座部分に9mmのスパナで同じく緩めて外します。これもフレームに装着した状態のほうが回しやすいですが、ここでは清掃もしたかったのでフレームからは外しています。
目的とする「調整穴に差し込まれた黒い部品」ですが、これは本体の穴にガッチリ食い込んでいるのでマイナスドライバーの先を差し込んで外しました。
取り外してみると、3つ並んだ穴は自転車のフレームにあるものと違い、大きさが均等ではなく黒いアジャスターが入っていた真ん中だけサイズが大きく空けられていました。
アジャスターの突起を狙い通りに上の穴に差し込むと穴の大きさが足りませんが、ドリルなどで拡張するのは避けて強めに押し込む程度にしました。
この構造から、gurunge(グランジ)の700CトランスファーはVブレーキのバネの強度を調整できるようには設計されていないようです。
そこまでの機能を持たせるなら3つ穴をそっくり台座へ延長してくれて良さそうです。
せっかくここまで製品を仕上げていて調整機構を省いている理由が謎。
うっかり緩めの方に差し込んで文句言っちゃう人はいるかもしれません。
組立は、台座のネジ山にネジロック剤を付けて締め込みました。
もとの位置に戻したいときに外せるよう、ホームセンターで売ってる一般的なものを使用しています。
Vブレーキを設置する前に台座の稼働部にグリスを塗り込みました。戻りが悪い原因がそもそも潤滑不足というのも充分考えられるため対処しておきます。
ブレーキワイヤーまで全て元通りに組戻しブレーキをかけてみるとアームを戻すバネの力は実に好調。
あとは最初に書いたとおりに小ネジで左右のバランスを微調整して完了です。
700Cトランスファーの分解調整前と比較して、というより、この自転車フレームが世に現れてから最も良いブレーキコンディションではないかと感じています。
このブレーキ調整の効果が少なくともシーズン中(半年以上)は保たれて欲しいものですが、効果を見るためには走り込みが必要です。
今のところブレーキが気持ちよく効いてくれるので、その辺も捗りそうではあります。